熱中症

熱中症被害は労働災害になるの?

熱中症は、労働基準法における施行規則第35条に“暑熱な場所での業務による熱中症”というように労災に制定されています。

労働災害による熱中症には認定要件になる?

熱中症として労災が認められるのは、一般的認定要件と医学的診断要件の2種類のうちのどちらかに認定された人です。

一般的認定要件

其の一:労働上における、突然の災害発生や災害状態の時間・場所を明らかにし、病状が発症する原因が存在すること。

其の二:その原因が身体に及ぼす影響力、何らかの障害が現れた部位、災害とされる何かが発生してから発病するまでの時間の間隔的視点から、発生した災害と病気に因果関係があると認定されること。

其の三:労働業務に関係のない他の何かが要因となり発症・憎悪したものではないということ。

医学的診断要件

其の一:労働条件並びに温度湿度条件を把握する。
其のニ:発症した症状の診察・意識障害やけいれん等の視診、体温測定を行う。
其の三:労働中に発症した脳貧血や頭蓋内出血、てんかん発作等から起こる意識障害との鑑別・診断をする。

夏の時期に外で作業している労働者が、日射病等の熱中症を発症させても、業務上の疾病に当てはまるかどうかは、労働内容・労働時間・労働環境(温度や湿度)・本人の体調・健康状態や労働時の衣服などを全体的に判断し、決定されるものと厚生労働省から通達されています。

労働災害から見る熱中症対策とは

平成22年9月、熱中症による労働災害での死亡者数が33人という、過去最多記録を更新したと厚生労働省が発表しました。これまでの過去最多人数は平成13年の24人でした。
しかし亡くなった人の中には、労災が認められない人も居るということです。

厚生労働省は、熱中症にまで症状が及ばなくても、暑さによる労働中の注意力散漫、疲労が蓄積されたことによる交通事故など、暑さが色々な労働災害を発症させる要因であるとし、休憩時間の確保や水分補給、風通しの良い衣服を着用することが必要としました。

労働環境管理の視点から

労働環境にて、熱ストレスをどの程度感じているかの判定を行う暑さの指数であるWBGT値を下げることや、休憩所の整備を整えること。

労働管理の視点から

労働災害の避けるためにも休憩時間の確保や労働時間の短縮を行い、暑さに慣れるための順化期間を設けること。
脱水症状を防ぐためにも水分や塩分の補給を一定時間毎に行い、熱を吸収・保熱する衣服は避け、通気性の良い作業着や衣類を着用しましょう。

労働作業中は、水分を補給しているか、熱中症の徴候が見られる労働者が居ないかなど、健康状態を確認する巡視を行い、徴候の見られた労働者が居た場合には必要な処置を行いましょう。

健康管理の視点から

健康診断により、熱中症を引き起こすリスクのある疾患、あるいは疾患の治療中の労働者が居る場合は医師の意見により就業場所の変更などを行います。
高温多湿の環境にて労働している人は、体調不良や睡眠不足が熱中症を引き起こす可能性があるので、日常の健康管理として指導や健康相談を行うこと、また労働前の体調確認や巡視、休憩所に体重計や体温計を設置し、体調確認をできるようにすること。

労働衛生教育の視点から

暑熱環境にて労働を行う人は、労働時の健康管理などの労働衛生教育として、熱中症の事例、予防法、症状、救急処置を学ぶ必要があります。

救急処置の視点から

熱のこもる暑い場所で労働者を従事させる場合は、熱中症に備え、病院などの住所・連絡先の緊急用の連絡網を作成し、労働関係者に通達しておくこと。

熱中症と思われる症状がみられた場合の救急処置として、涼しい環境へ場所を移し、水分や塩分の補給を行い、必要があれば救急車を呼んで病院へ受診させること。

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