熱中症,塩

塩が熱中症予防に良いとされるのは何故か?

熱中症の話をとして、よく耳にするのは水分補給。
水分のみの摂取が大切のように思われていますが、それは間違いです。
私たちの血液には0.9%のナトリウムが一緒に流れています。

このナトリウムを汗で排泄し、補給した水で薄めてしまうと、体自身が水分の吸収を拒絶するようになります。

血中の塩分濃度が減少すると

血液の中には血球と血漿が存在し、血漿は約9割が水分で出来ていて、残りはナトリウムなどを含んだ電解質や蛋白質で構成されています。

健康な人は血漿中に存在する塩分濃度が、食塩に置き換えて計算すると1リットルに8.06〜8.30g存在します。
しかし、この血漿内にあるナトリウムの濃度が1リットル中7.89gを下回ると低ナトリウム血症という症状を引き起こします。

低ナトリウム血症とは、体内のナトリウム量に比べ、水分量の方が多く存在しているために起こります。
症状は傾眠・嗜眠・昏迷・頭痛・目眩・錯乱・けいれん・吐き気・昏睡・人格変化・意識障害・脳浮腫など精神異常を含む様々な症状を呈し、最悪のケースでは死に至る危険性があります。

重症化した低ナトリウム血症は、血漿中のナトリウム濃度が1リットル中7.01gまで減少し、食塩に置き換えると1リットル中1.2gの塩分が血中から失われた状態で起こります。

水分は塩分と一緒に摂るのが良い

熱中症の症状でよく知られる脱水症状には水分摂取が必要となります。
また、電解質とされる塩分と一緒に摂取することが症状改善の近道なのです。
塩分と一緒に体内に摂り込むことで、水分が吸収されやすくなり、脱水症状からの回復も早期にみられると思います。
長時間の屋外での活動時は、ミネラルウォーターと一緒に塩・シソ・梅干、スポーツドリンクなどを用意しておくのが良いでしょう。

また最近では熱中症対策として、塩飴が注目されています。
なかには数粒でスポーツドリンクの1リットル分に値する塩分が入っているというものまであり、屋外での労働や運動をしているとき、また屋内で過ごすときなど熱中症の治療に使用するのは難しいですが、口に含んでおくと熱中症予防になると思います。
飴ということで、砂糖も材料に入っているので糖分も同時に摂取できます。体温調節機能が低下した高齢者や、汗をかきやすい子供たちの塩分・糖分補給には良いのではないでしょうか。

塩分の過剰摂取は体に良くない!

健康な人は、運動中や労働中に多少塩分を摂り過ぎても、3日以内に水分と一緒に尿中から排泄されます。
しかし、いくら塩分を摂ることが体に良い、熱中症対策になるからといって、過剰に摂取しては予防どころか二次疾患を引き起こすことに繋がってしまいます。
そう、塩分の過剰摂取は高血圧や生活習慣病、脳卒中を引き起こす危険因子なのです。

平成22年に厚生労働省より改正させれた食事摂取基準では男性は9g/日未満、女性では7.5g/日未満とされています。
熱中症予防や低ナトリウム血症予防のために塩分を摂取するのはとても良いことなのですが、摂り過ぎで他の病気を引き起こさないように注意してください。

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